軽油は、高出力で熱効率が高いことからトラックなど大型自動車の燃料に多く用いられています。
また、軽油には各種の税金が課せられており、販売時や運搬時には消防法によって指定数量も定められています。
今回は、軽油価格の税金や内訳、軽油の規制(指定数量)、軽油の変動要因などについてご説明します。
軽油価格に含まれる税金について
軽油には、軽油引取税、石油石炭税、消費税の3つの税金が含まれています。
軽油引取税について
軽油引取税とは、軽油を購入する際に都道府県に納める地方税です。
軽油引取税額は、1キロリットルにつき32,100円、1リットルあたり32.1円と定められています。
石油石炭税について
石油石炭税とは、原油や輸入石油製品、液化石油ガス、液化天然ガス、石炭に課せられる税金です。
軽油は、輸入石油製品に該当し、1キロリットルにつき2,800円、1リットルあたり2.8円と定められています。
消費税について
軽油を購入する際、消費税10%が課税されます。
ただし、消費税の対象は、軽油の本体価格と石油石炭税の部分で、軽油引取税は消費税の対象とはなりません。
軽油価格の内訳について
軽油の小売単価を1リットルあたり100円と仮定した場合の内訳を考えてみます。
軽油には、1リットルあたり32.1円の軽油引取税、2.8円の石油石炭税が課せられ、さらに軽油本体価格と石油石炭税に消費税10%が課せられることとなります。
これを計算すると、軽油を1リットル購入する際に必要となる100円のうち、軽油本体価格は58.93円となり、残りの41.07円は税金が占めることとなります。
(1リットルあたり) | 金額(1リットルあたり) | 計算方法|
---|---|---|
軽油本体価格 | 58.93円 | 100円-(32.1円+2.8円+6.17円) |
軽油引取税 | 32.1円 | |
石油石炭税 | 2.8円 | |
消費税 | 6.17円 | (58.93円+2.8円)×10% |
合計 | 100円 |
軽油の規制(指定数量)について
軽油は引火性の液体であり、危険物として消防法で指定数量が定められています。
指定数量とは、その危険物の危険性に応じて法律で定められている数量です。
販売の規制
軽油は、非水溶性の第2石油類に分類され、1日あたりに販売できる量は1,000リットル未満と決められています。
運搬の規制
軽油を運搬する際の指定数量は1,000リットル未満と決められています。
1,000リットル以上を運搬する場合には、0.3メートル四方の黒字に黄文字で書かれた「危」の標識を車両の前後に掲げて、消火設備を備えるなどの措置が求められます。
軽油価格の変動要因について
軽油価格の変動要因としては、原油価格、為替、需給動向が考えられます。
軽油は、トラックやダンプなどの大型自動車の燃料として用いられるため、軽油の需要は景気の動向によっても大きく左右されます。
景気が良い時は、運送業界や建設業界の活動が増えるため、軽油が必要となり、需要が高まります。
また、お歳暮などの贈答品の配送が増える年末、引越しが増える年度末にも、需要が高まる傾向にあります。