標準的な運賃とは?
令和6年4月より働き方改革関連法に基づき、トラックドライバーの時間外労働の上限規制(年間 960 時間)が適用されます。
長時間労働、低賃金によりトラックドライバーが確保できず、社会インフラである物流が滞ってしまうことのないよう貨物自動車運送事業法が改正され、国土交通省は、令和2年4月、事業者が法令を遵守して持続的に事業を行う際の参考となる運賃として「標準的な運賃」を定めました。
このページでは、国土交通省が示した「標準的な運賃」について解説していきます。
標準的な運賃の概要
運賃表の種類
標準的な運賃は、「時間制運賃」「距離制運賃」と2パターンに分かれています。
また、地域別にも地方運輸局別に10ブロックに分かれています。
詳細については、国土交通省のホームページから確認することができます。
■国土交通省ホームページ
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000213.html
対象の車型
- バン型車両で設定
- 冷蔵車、冷凍車は割増率(2%)を設定
- その他の車両も割増率を別途設定することが可能
対象の車種
車種 | 条件 |
---|---|
小型車 (2トンクラス) | 最大積載量2トン以下 |
中型車 (4トンクラス) | 最大積載量2トン超かつ 車両総重量11トン未満 |
大型車 (10トンクラス) | 中型車を超える車両 (ただし、トレーラを除く ) |
トレーラ (20トンクラス) | けん引車と被けん引車を連結した車両かつ 最大積載量が20トン前後のもの |
対象の運送形態
標準的な運賃は、貸切運賃を前提に計算されています。
また、実車率は50%で設定されています。これは、帰り荷がない状態を想定して
- 車両を貸し切って貨物を運送する場合で設定
- 実車率 50%(帰り荷が無く車庫に戻ること)で設定
元請・下請の関係
標準的な運賃は、実際の運送に支払われる運賃で設定されています。
そのため、下請事業者が運送する場合、元請事業者は荷主に対して、標準的な運賃に管理料等を上乗せして請求する必要があります。
- 実運送を行う場合で設定
- 元請事業者の傭車費用や管理料は含まれていない
運賃と料金
標準的な運賃は、運賃のみを設定しており、運賃以外の待機時間料や高速道路利用料等の料金は別途収受する必要がある。
- 運送サービスを提供することで収受する運賃を設定
- 料金(待機時間料、積込・取卸料、附帯業務料)や実費(高速道路利用料、フェリー利用料、燃料サーチャージ等)は標準的な運賃に含まれていないため、別途収受する
料金のうち、待機時間料のみ告示で設定されている。
車種 | 30分ごとに発生する待機時間料 |
---|---|
小型車 (2トンクラス) | 1670円 |
中型車 (4トンクラス) | 1750円 |
大型車 (10トンクラス) | 1870円 |
トレーラ (20トンクラス) | 2220円 |
標準的な運賃の活用
標準的な運賃を活用する場合、地方運輸支局に運賃料金変の届出が必要となります。
届出に必要な書類は、以下の2つです。
- 運賃料金変更届出書
- 運賃料金適用方
運賃料金変更届出書
運賃料金変更届出書は、標準的な運賃を設定するための書面です。
運賃料金適用方
標準的な運賃を活用するに際しての具体的な適用ルールです。
地方運輸支局へ届出を行いましょう。郵送による届出も可能です。
契約書、覚書等で取引条件を規定しましょう。